タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月)

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電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

(2)沖縄本島北部名護市は那覇の北方約45kmに位置します。中核拠点都市である名護市の市街地に人口の集中がみられますが、それ以外は農村や漁村がまばらに点在する人口密度の低い地域です。北部地域には本島最高標高の与那覇岳(503m)があり、地域全体が山地とそれを囲む丘陵地です。夏(7~8月)の平均気温は那覇と同程度ですが、冬(1~2月)は那覇より0.5℃程度低くなっています。湿度は夏・冬共に那覇とほぼ同じです。平均風速は年間を通して4地域の中では最も小さい値となっています。この地域の特徴的な点は、冬の平均気温が4地域の中で最も低いことで、本島最北端の「奥」では冬の最低気温が15℃を下回ります。体感的には北部地域は那覇よりも1~2°くらい寒いとの印象があります。人口密度が低いため、名護市中心部を除いては敷地に比較的余裕のあることが多いので、暑さ対策に有効な植栽をふんだんに配置することや、通風や日射をうまくコントロールすることで省エネルギー化を図ることができます。居住地域は海沿いが多いことから、昼間の海風と夜間に発生する陸域から海域に流れる局地風を取り込む工夫を講じることで、夏の涼しさを確保できます。(3)宮古島および大東島(離島低平型地域)宮古島市中心部の緯度は那覇から南北距離で約150km南に位置します。低平型の島々は、宮古島の標高114.6mが最高点で、伊良部島、竹富島、波照間島、鳩間島、多良間島などの島々は標高60m以下です。(南大東島と北大東島は最高地点が標高75m程度)大半の島が裾礁に囲まれて、沖合には台礁が発達しています。宮古島、伊良部島、来間島などの島々の間の内海には多くの離礁が分布し、宮古島と伊良部島間の海底の表層部は全てサンゴ礁堆積物によって埋められています。多良間島、宮古島には大規模な砂丘が発達しています。大東島は隆起環礁からなるカルスト台地で、島の中央部が低くなったすり鉢状の地形です。宮古島市では、夏(7~8月)の平均気温は那覇と同程度ですが、冬(1~2月)は1.2℃程度高くなっています。湿度は、夏冬共に2~5%程度高い値となっています。年平均風速は、那覇より0.5m/s程度小さいのですが、最大風速の平均値は他の地域と比較してやや大きな値となっています。豊富な風を利用した風力発電が行なわれています。平坦な島では、台風時の強風で例年大きな被害がもたらされます。住宅づくりにおいては、その点を念頭におき、開口部まわりの防災対策を考える必要があります。雨戸を設置することが有効ですが、それができない場合でも防風ネット等を活用することで飛来物による破損に備えます。敷地に余裕がある場合には防風林となる植栽を配置します。それは同時に夏期の熱環境の改善にも役立ちます。また、恵まれた太陽エネルギーの活用は、省エネルギーの推進に寄与します。018