タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月)

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電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

第1章3.2.断熱設計の考え方(1)断熱性能断熱設計において躯体外皮の基本となる性能は断熱性能と防露性能です。断熱化は夏期の日射遮蔽のためにも有効です。また、冬期においても、数少ない日数とはいえ、寒さから私たちの生活を守ってくれます。断熱欠損を生じさせないために、適切な厚さの断熱材を隙間がないように連続させることが大切です。取合い部にも隙間が生じないように、断熱層を連続させます。(2)防露性能結露には、壁体内で起こる内部結露(木造の場合)と、躯体等の表面で起こる表面結露があります。1)木造の防湿層について木造の場合、蒸暑地域以外では、一般的に、断熱層内への湿気の侵入を防ぎ、内部結露を生じさせないために、断熱材の室内側に防湿層を設ける必要があります。これは、外気温度が室内温度より低い冬期に於いて、室内の水蒸気が壁体内に侵入するのを防ぐためです。しかし、沖縄では、壁体内が露点以下になることはないので、防湿層は必ずしも必要ではありません。むしろ、夏期に暖かい空気が外部から壁体内に入った場合、室内の冷房で冷やされた空気に触れ、防湿層の裏側で結露(夏型結露)するおそれがありますので、防湿層は、設けないほうがよいでしょう。2)木造の防風層と通気層について通気層は、室内側から万が一壁体内に入ってしまった湿気が結露しないよう外部に逃がすための層ですが、防湿層と同様、沖縄では、壁体内が露点以下になることはなく、また、シロアリや台風による被害も懸念されることから、通気層は必ずしも必要ではありません。防風層は、通気層からの外気を断熱材内部へ侵入するのを防ぐための層ですので、通気層がない場合は必要ありません(雨水の侵入を防ぐ防水層は必要です)。3)RC造の防露性能についてRC造の建物で生じる結露は、表面結露です。表面結露は、躯体の室内側の表面温度と、室内の温度および水蒸気量に起因します。特に、冬期や冷房で冷やされたコンクリートに、外部から湿気を多く含んだ暖かい空気が触れると、結露が発生します。この場合、コンクリートを冷やしすぎないことや、コンクリートに直接湿った空気を触れさせないようにすることが大切で、それには、断熱化をすることが肝要です。044