タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月)

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電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

1.基本的特徴沖縄県は日本の南端に位置し気候区分は亜熱帯に属しています。周辺を海洋に囲まれていることから亜熱帯海洋性気候とも呼ばれます。近海を黒潮(暖流)が流れており、高温多湿な蒸暑地域です。海洋性気候の特徴として夏と冬の気温差が小さいことが挙げられます。例えば、那覇の7月の平均気温は約29℃で1月は約17℃と差は12℃程度です。これは国内の他の地域と比べると小さく、温暖な気候といえます。特に冬は比較的湿度が低く快適です。湿度は年間を通して高く、那覇で年平均約74%です。降水量は那覇で年間2,000mm程度であり、国内の他の地域の約800~3,800mmと比較すると雨の多い地域に属します。降水量は梅雨と台風に大きく影響され、5,6月と8,9月が多くなります。日照時間は晴れの日が多い7月が最も多く、曇りや雨の日が多い2月は少なくなります。年間の日照時間は国内の他の地域と比較すると平均的であり特に長いとはいえません。しかし、太陽の南中高度が高いため、日射のエネルギーが強く、年間を通しての日射量は大きくなります。平均風速は約5m/sであり、日本国内でも特に風の強い地域です。周囲を海に囲まれている小さな島であることから、常時海からの風が吹いており、夏の蒸し暑さを和らげる一方で、冬の強い風は体感気温を下げてしまいます。図1.1.1那覇の気象概要出典:「那覇の気象データ」(沖縄気象台ホームページより)年間を通して平均7.4個の台風が接近します。これは国内他地域の2倍以上の頻度で、8~9月の最盛期には月平均2個が接近します。沖縄付近で速度を落としながら北西から北東へ進行方向を変えることも多く、その分滞留時間が長く、被害が拡大する傾向にあります。台風接近数(個/年)図1.1.2地域別台風接近数の平均値(個/年)(1981年? 2010年までの平均値、2015年版理科年表より作成)006