タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 北海道(1~3地域)版版 第2版(令和3年3月)

ページ
10/140

住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 北海道(1~3地域)版版 第2版(令和3年3月) の10ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

2.気象特性を踏まえた計画・設計地域の気象特性に応じた住まいの計画・設計において配慮が必要な項目を以下に記載します。(1)寒さへの対応寒冷地の住宅で快適な暮らしを実現するためには、居住空間内から寒さをいかに取り除くか、また結露など寒さに起因する被害をいかに防ぐかが重要です。このテキストで詳しく解説する断熱、気密施工を確実に行うほか、単に断熱性能の基準値をクリアするのみでなく、熱橋などの断熱上の弱点をなくすことへの配慮も必要です。窓下など寒さの原因となる場所に放熱器を置くこと、換気の給気口を直接気流が体に当たらない場所に配置することなども重要です。地面の上に積もった雪には保温効果があります。そのため、雪の下の地面は凍結が抑えられますが、雪の少ない地域や除雪を行う場合は、地盤の凍結深度が深くなります。特にポーチ部分や、設備の基礎は凍上による被害に注意が必要です。冬の最低気温は、室外機を用いるヒートポンプ式の暖房・給湯設備の機器効率に影響します。地域の気象条件に対応した機器を選定することが必要です。(2)暑さへの対応北海道は夏期であっても、夜間の気温が20℃以下に低下することが多いのが特徴です。そのため、夜間や朝方に積極的に通風を行って室内温度を下げ、昼間は日射の遮蔽により室温の上昇を防ぐのが暑さ対策の基本です。(3)雪への対応特に雪の多い地域では建築での対応が重要です。敷地内で雪処理を行うことを基本とし、屋根からの落雪空間と、日常の除雪の堆雪空間を確保します。玄関アプローチに車庫や外部収納を設けることも、除雪面積を少なくする点で有効です。ロードヒーティングや融雪槽は省エネルギーの点から極力設置を控えるようにしましょう。(4)日射への対応窓から入射した日射は、室内で熱に変わります。住宅の断熱性能の向上により、日射の影響はより大きくなります。特に冬期に日射が豊富な地域では、日射を取り入れることで省エネルギーにもつながります。ただし、冬期は太陽高度が低くなるため、周囲の住宅や樹木によって日射がさえぎられることがありますので、敷地をよく確認することが必要です。逆に夏期は防暑対策のため日射の遮蔽が必要です。南面の軒の出や庇は、太陽高度の季節による変化を利用することで、夏は日射を遮り、冬は日射を取り入れることができます。010