タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 北海道(1~3地域)版版 第2版(令和3年3月)

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住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 北海道(1~3地域)版版 第2版(令和3年3月) の121ページ目の概要です。

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電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

第8章断熱改修計画・工法2.断熱改修の方法2.1.サッシの改修住宅の中で最も断熱性能の低い部位が開口部です。例えば、外壁の熱貫流率は壁内の断熱材をグラスウール10K-50mmとした場合に0.9 W/( m2 ・K)程度ですから、表8.2.1に示す窓の熱貫流率と比較すると壁は3倍以上断熱性能が高いといえます。このため、窓の断熱性能を高めることは、最も効果の高い改修方法といえます。達成できる建物全体の断熱性能は、他の部位の性能により決まるため一概に言えませんが、窓の結露や隙間風の防止といったメリットが得られます。窓の改修方法は表8.2.2に示すように、二重窓の内側のサッシを断熱性能の高いものに交換する方法、二重窓を取り払い、断熱性能の高い一重窓に交換する方法があります。また、元々一重のプラスチック製サッシが付いている場合はガラスのみの交換も効果があります。二重窓内側のサッシを断熱性能の高いものに交換する場合は、外側の窓での結露を防ぐために室内側の方に気密性能の高いサッシを取り付けます。室内側のサッシを樹脂製とし、ガラスをペアガラスLow-Eアルゴンガス入りとした場合、サッシの断熱性能は大きく向上します。また、二重窓は防音性能も高まるためコストパフォーマンスの非常に高い方法といえます。本州では事例が多い、アルミサッシの単板ガラスを真空ガラスに取り替える場合は、既存のサッシ部分の気密性能と断熱性能が低いため、サッシ部分の結露防止や断熱性能の向上効果が得られにくいことがあるので注意が必要です。気密性の高いサッシに改修した場合は住宅内の換気量が減り、室内の湿度が高くなることがあります。そうなると結露が生じやすくなりますので、適切な換気量を確保できる換気を行います。表8.2.1窓の構成と断熱性能枠の仕様ガラスの仕様熱貫流率(W/( m2 ・K))(一重)プラスチック枠複層ガラス(空気層12mm)2.91(一重)プラスチック枠複層ガラス(空気層6mm)3.49(二重)アルミ+木単板+単板2.91表8.2.2改修後の窓の構成と断熱性能枠の仕様既存の窓構成ガラスの仕様熱貫流率[W/( m2 ・K)]改修内容枠の仕様改修後の窓構成ガラスの仕様熱貫流率[W/( m2 ・K)]アルミ+木単板+単板2.91アルミ+木単板+単板2.91内側の木サッシをプラスチック製サッシ(複層ガラス)に交換内側の木サッシをプラスチック製サッシ(低放射ガス入り複層ガラス)に交換アルミ+プラスチックアルミ+プラスチック単板+複層ガラス(空気層12mm以上)単板+複層ガラス(空気層12mm以上、低放射,ガス入り)2.331.9第8章アルミ+木単板+単板2.91二重のサッシを取外しプラスチック製サッシ(低放射ガス入り複層ガラス、一重)に交換プラスチック複層ガラス(低放射,ガス入り)1.9プラスチック複層ガラス(空気層12mm)2.91ガラス交換プラスチック複層ガラス(低放射,ガス入り)1.9121