タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 北海道(1~3地域)版版 第2版(令和3年3月)

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概要

電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

2)夏期図2.3.1は外気温が30℃を超えた真夏日における室温の調査結果です。冷房装置を設置している住宅は、昼から夜にかけて室温の低下が見られ、特に外気温の高い旭川で、冷房装置の影響が大きくあらわれています。ただし、冷房装置がない住宅でも、外気温より室温が低く抑えられています。これは断熱性能の高い住宅では、屋根、天井、外壁からの日射熱の室内への侵入が少なくなり、そのため木造住宅であっても熱容量(物体の周囲の温度が変化しても物体の温度はすぐには変化しない性質)の効果が大きくあらわれるためです。夏期でも夜間に気温が低下する北海道では、夜間や朝方に積極的に通風、昼間は窓を閉じることで冷房装置の使用を控えることができます。また、ひさしなどで日射遮蔽を行うことも夏期を涼しく過ごすために非常に重要なことです。3535居間の室温℃3025居間の室温℃2020冷房装置あり(N=5)冷房装置あり(N=3)冷房装置なし(N=15)冷房装置なし(N=9)15外気15外気0:0012:000:0012:000:000:0012:000:0012:000:008月10日8月11日8月10日8月11日(a)札幌市内の住宅(b)旭川市内の住宅図2.3.1夏期の温度推移断熱・気密住宅を対象とした実測調査の結果。Nは調査住宅の件数で、グラフはその平均値を示している。3025図2.3.2は各時間帯の通風の実施率です。昼間は8割以上で通風を実施していますが、外気温が下がり冷却効果が大きい日没後、就寝時間帯は通風の実施率が下がることがわかります。図2.3.3は通風を行わない理由を尋ねた結果で、「防犯」「プライバシー確保」の問題が多く挙げられています。これらの問題は開口部の選択や配置の工夫など、技術的に解決できる部分もありますので、適切な開口部の設計が望まれます。0% 20% 40% 60% 80% 100%昼間日没後就寝時間帯図2.3.2夏期の通風の実施率道内の戸建て住宅居住者を対象としたアンケート調査(2012年にWebアンケートで実施、回答数:2,000)030