タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 全国(4~7地域)版 第2版(令和3年3月)

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住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 全国(4~7地域)版 第2版(令和3年3月) の156ページ目の概要です。

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概要

電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

1.3.住まい手への注意事項断熱リフォームを行うと、住宅の性能が向上しますが、住まい手の生活が従来のままだと、逆にそのことが原因で問題が発生することがあります。計画の提案時に、リフォーム後の注意事項について事前に説明します。(1)気密性の向上に伴う注意窓、及び壁など躯体の断熱リフォームを実施した場合、断熱性能の向上とともに気密性能も向上します。リフォーム後も、例えば、開放型ストーブなどの暖房機器を従前通り使い続けると、室内空気質の悪化や、今まで結露していなかった部分で結露が発生するなどの現象が生じる危険性があります。断熱リフォーム実施に伴い、気密性能が向上することを住まい手に認識してもらうと共に、開放型燃焼機器の使用と換気状況を確認のうえ、必要に応じて暖房計画、換気計画も併せて提案することが望まれます。(2)結露防止対策窓や壁面での結露対策として、結露発生部分の断熱性能を向上させることがありますが、それだけでは、十分とはいえません。断熱強化した部分は、室内側表面温度が外気の影響を受けにくくなることにより、温度上昇する効果があって結露しにくくなります。しかし、室内の水蒸気量(湿度)が変わらないとすると、当該部分で結露していた水分が別の断熱性能の低い場所で、結露が発生することもあります。特に、ガラスの断熱性能は壁等の躯体部分に比べて大きく劣りますので、顕著です。窓面が結露することで、他の断熱性能が低く結露発生する危険性のある箇所(壁面の隅角部や外気に面した壁の家具裏など)で今まで結露発生しなかった場合でも、窓ガラスやサッシの断熱性能を向上させることで、結露が生じる危険性もあります。結露の対策の基本は、室内湿度と温度を適切な状態に保ち、かつ、壁面や窓面の断熱性能が適切であることです。水蒸気の過剰な発生を抑えたり、適切な換気をすることも大切です。156