タイトル:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 全国(4~7地域)版 第2版(令和3年3月)

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概要

電子ブック:住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編 沖縄(8地域)版 第2版(令和3年3月) 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

(2)断面構成住宅の外壁や天井・屋根・床などは、さまざまな材料で作られていますが、どんな材料でどのようにつくるとよいのか、外皮の断面構成が大切です。基本的な考え方は、室内側:水蒸気を通しにくくする外気側:水蒸気を通しやすくする断熱層の室内側に防湿層を設けて、断熱層に室内の水蒸気が入りにくくし、また、断熱層の外気側は透湿性を高くし、通気層を設けることで外気に水蒸気を通しやすくします。水蒸気透過図3.3.2壁体内の水蒸気の流れ室内外の透湿抵抗のバランスが大事です。壁の場合、断熱材の外気側を境界として、室内側の透湿抵抗が外気側より2倍以上であることが望まれます。たとえば、繊維系断熱材による充填断熱工法の壁で、室内側に防湿フィルムがある場合は、断熱材の外気側に合板があっても、その外側が通気層であれば、室内側の透湿抵抗は外気側の約6倍ありますので、室内外の透湿抵抗のバランスは適切です。この場合、防湿層と通気層の設置がポイントです。面材断熱層透湿防水シート防湿フィルム通気層内装材外装材図3.3.3充填断熱工法・繊維系断熱材を使用した例結露は、温度が低いところに水蒸気が滞留すると発生します。断熱材の室外側は、外気に近い温度(低温)になりますので、水蒸気が入ってきて逃げなければ、結露が発生しやすくなります。冬は、室内の水蒸気量の方が外気より多いので、水蒸気は常に室内から室外へ向かって移動します。面材壁内断熱材透湿防水シート通気層内装材外装材図3.3.4外張断熱工法・発泡プラスチック系断熱材を使用した例外張断熱工法における気密層の設け方には、さまざまな方法があります。図は一例です。プラスチック系断熱材による外張断熱工法の場合は、断熱材が水蒸気を通しにくいので、防湿層は必ずしも必要ではありませんが、断熱材の外気側に、水蒸気を通しにくい材料を施工するのは避けてください。通気層は必ず必要です。038